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††† Heavenly Blue †††

シルバーレインのPC・宮藤 玲についての記録
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  • 05/01/05:50

巡り始める絆。

 
 
先日「依頼」というのに行って来た。

銀誓館に所属する限り、ある程度こなさなければいけないらしい。
「モーラット」という可愛らしいゴーストを生け捕るだけの仕事だった。
よく判らないがこれぐらいなら出来るだろうと引き受けた。

同行者と相談し、菓子が沢山必要ということが判った。しかし金もないので銀誓館近隣で卒業生や在学生が経営している店に菓子を貰いに行くことにした。

最初に入ったのが「Vol De Nuit」という雑貨屋。アンティークショップと言うのか?色々な物が置いてあった。菓子が置いてありそうには思えなかったが中に入ってみた。単純に中が見てみたくなったのだ。

店に入ると奥からすらっと長身の金髪の青年が出て来た。
「……」
堂々としていてとても美しい。しばらく声も出せずに見つめていたら
「銀誓館の生徒か…何か用か?」
何か不審そうな声と顔で尋ねられた。
からっぽの大きな籠を持って入って来た俺は確かに不審人物に違いない。
慌てて依頼のことやお菓子が欲しいことを相手に伝えた。

話してる途中で俺の顔を見、そしてペンダントに目線を落とすと何かに気づいたような表情をした。
「少し待っていてくれ」そう言うと男は店の奥に下がった。
その間に店内を物色する。優しい夕刻の陽射しに時計の時を刻む音が響いていた。

しばらくすると男が戻って来てハロウィンの残りだと言う菓子と、良かったら使ってくれと幾つかの詠唱兵器を手渡してくれた。今一番必要としている物だ。有り難い。
深く礼を言い、また来る旨を相手に伝え店を後にした。


日が傾きかけていた。
何処からか甘い良い香りがしたので辿ってみたら【Gioco di Crepuscolo】という店があった。喫茶店だ。

キィ…。
ドアを開けて店内に入れば黒い服を着た綺麗な男に出迎えられた。
「Buona sera,ようこそ逢魔ヶ刻の喫茶店へ。」
優しい笑顔に見蕩れ再び言葉を失う。
そして俺が持っていた僅かな記憶にカチリと合った…気がした。

しばらくして気を取り直し、用件を伝えた。
「成程。可愛いふわもこモーラットの為なら、俺の手製で良ければ幾らでも。」
黒服の男は俺がぼーっとしてた時から話が終わる時までずっと微笑んで聞いててくれた。
話が一通り終わったと知ると
「では、コレは如何かなー…?」とハニージンジャーシフォンを丸ごと出してきた。
有り難く受け取り、持って帰った。
一つ失敗したのは…自分用も貰えばよかった。その事を酷く後悔した。

依頼は貰った菓子のおかげもあってか無事に成功した。

「Vol De Nuit」にはその後も行き、世話になったの金髪の男の名前もわかった。
「天風 唯鶴」と言うそうだ。明らかに外見が外人なのに何故、日本人名なんだろうか。なにやら由来があるらしい。そのうち聞くとしよう。そして今度、貴船神社の紅葉を一緒に見に行くことになった。楽しみだな…。

【Gioco di Crepuscolo】も少し覗きにいったが、あの黒服の男は体調不良らしい。
もうしばらく経って加減が良くなった頃を見計らって礼を言いに行こうと思っている。
それに…やっぱりハニージンジャーシフォンをどうしても食べたいしな…。


毎日が楽しくなってきた。
明日は何をしようか…?
 
 
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